日本自律神経学会


学会開催

総会

過去の報告

第65回日本自律神経学会総会を終えて

東京慈恵会医科大学 医学部・看護学科  持尾聰一郎

 平成24年10月25日(木)、26日(金)の2日間に亘り、第65回日本自律神経学会総会を東京の都市センターホテルで開催致しました。
 慈恵医大・神経生理学の加藤総夫教授をプログラム委員長として、副会長は岡 尚省教授、プログラム委員は岡、栗田、鈴木、森田、仙石の慈恵医大・神経内科の各医師で構成しました。
 本総会のメインテーマを「明日からの診療に役立つ自律神経学の基礎と臨床」と掲げ、基礎と臨床の連携・融合を基盤とした企画でした。若い医師とくに初期および後期臨床研修医師が初めて自律神経障害患者に接した際、いかにアプローチしていくかなど「診断と治療」に直ぐ役立つような内容としました。
 会長講演は「自律神経機能の定量的評価」、特別講演は@「慈恵の先達が残した脚気研究・ATP研究の足跡」松藤千弥教授(慈恵医大・分子生物学講座)、A「自律機能と疼痛制御におけるATP受容体の役割」井上和秀教授(九州大薬理学)、B「自律神経学の研究史における日本人研究者の貢献:若手神経学者へのメッセージ」高橋 昭名誉教授(名古屋大)、Evening seminarは「Neurogenic orthostatic hypotension : Pathophysiology and treatment」H. Kaufmann教授 (New York University School of Medicine)でした。その他、シンポジウム6企画で28題、教育セミナーは5企画で「検査法のupdate」8題で合計16題、トピックス7企画で14題、「あなたならどうする自律神経障害の臨床」4題、ランチョンセミナー5題などを企画しました。
 学会の参加者は予定していた人数よりかなり多く、研修医・レジデントおよび学生の参加もあり、教育に重点を置いた成果が得られたようです。また、自律神経学の基礎的および臨床的な面の理解を深めて頂けたものと思われます。
 また、27日(土)には慈恵医大でサテライト・イベントを行いました。ハンズオンセミナー(ヘッドアップティルト試験と発汗試験)では國本雅也先生、田村直俊先生および中里良彦先生に実技指導を行って頂きました。そして、市民公開講座として患者対象に「更年期障害に伴う自律機能変化」をテーマとして講演会を企画しました。神谷直樹教授(慈恵医大・産婦人科)による「更年期障害〜診察室から」および黒澤美枝子教授(国際医療福祉大薬学部)による「更年期障害〜動物の基礎実験から」の講演を開催しました。
 無事、盛会裏に終了出来、日本自律神経学会会員の皆様のご協力に対して感謝申しあげます。  

このページのTopへ戻る

第64回日本自律神経学会総会を終えて

会長 河谷正仁
(秋田大学大学院医学系研究科 器官・統合生理学講座)

第64回日本自律神経学会開催報告
第64回日本自律神経学会開催報告
 2011年10月27、28日の両日、秋田市において第64回自律神経学会総会を開催させていただきました。東日本大震災後の東北での開催でしたが、多くの参加者の皆さまをお迎えして無事に終了することができました。本総会では、『躍動するAutonomic Neuroscience』と銘打ち、ダイナミックに進化している自律神経研究の現状を紹介するとともに、今後の更なる発展につながる総会を目指して尽力いたしました。
 特別講演においては、国内外の大御所である大阪大学大学院医学系研究科教授の遠山正彌先生およびピッツバーグ大学医学部のWilliam C. deGroat先生に、それぞれストレス研究と排尿中枢制御の御講演を行っていただきました。また、海外の新進気鋭の研究者であるLori A. Birder先生およびウェイクフォレスト大学医学部の林田健一郎先生に、それぞれ膀胱上皮のATP放出機構および疼痛中枢制御という最先端の研究をご紹介いただきました。いろいろな意味でバランスの取れた講演群になったのではないかと考えております。さらに、会員の先生方に加えて、本総会初参加の学会員でない先生方にも座長・シンポジストとしてプログラム構成に御協力いただき、11ものバラエティ豊かなシンポジウム、1つのワークショップ、4つのランチョンセミナー、1つのイブニングセミナーを開催することができました。一般演題での発表は61題におよび、活発な研究の議論を繰り広げていただきました。これらの研究発表や議論が、今後の学会の進歩に寄与することを願ってやみません。
 臨床面では、教育セミナーを継続して実施するとともに、初めての試みとして、教育セミナーに社団法人日本リハビリテーション医学会から専門医・認定臨床医生涯教育単位を付与していただきました。教育セミナーの使命である自律神経機能検査についての知識を深めていただくとともに、この単位付与の試みが臨床医の先生方の診療の質の向上に役立つことができれば幸甚に存じます。
 本総会が、歴史ある本学会の盤石なる伝統を基盤にして、先生方の研究・診療の更なる飛躍の足掛かりになれば、これに勝る幸いはございません。総会開催においては至らぬ点もあったこととは思いますが、御指導、御協力いただいた先生方、また遠路はるばる御参加してくださった先生方には心から感謝申し上げます。

このページのTopへ戻る

第63回日本自律神経学会総会を終えて

会長  國本雅也
(済生会横浜市東部病院 脳神経センター)

第63回日本自律神経学会開催報告
第63回日本自律神経学会開催報告
 このたび、第63回日本自律神経学会総会を、平成22年10月22日(金)、23日(土)の2日間、横浜市のワークピア横浜にて開催させていただきました。皆様方の多大なご指導とご支援により、全日程を滞りなく終えることができました。
 今回の総会では、前年仙波会長の『基礎と臨床の融合をめざして』というテーマを引き継ぎ、『自律神経学と自律神経の臨床〜基礎と臨床のさらなる連携』をテーマにさせていただきました。今回は前年の総会でのアンケートにお答えいただいた先生方を中心にプログラム委員会を作り、そこでシンポジウムの内容等をより詳細にご検討いただきました。プログラム構成上、配慮しました点は、まずシンポジウムでは基礎系の先生方と臨床系の先生方が共にご参加いただける内容とし、従来および現在での問題点や今後発展していく方向性などを討論していただきました。その後の一般演題では、なるべくそのシンポジウムの内容に近い演題を持って参りました。そうすることにより一般演題の演者に、シンポジストの先生方からコメント等がいただけるのではないかと考えたためです。
第63回日本自律神経学会開催報告
 プログラムの内容に関する特徴としては、一つは自律神経の病理を取り上げたことです。ともすれば液性あるいは機能性の評価に終わりがちなこの自律神経の分野に、病理学的手法を導入することで、疾患への理解が進むと考えられます。これには特別講演に若林孝一先生、シンポジウムでは村山繁雄・高橋良輔先生にパーキンソン病の自律神経病理を扱っていただきました。そして特にパーキンソン病につきましては、その「自律神経障害のすべて」と題してさまざまな面からの検討のセッションを1日に亘り設けました。もう一つの特徴は、総会2日目に教育セミナーと称して、自律神経機能検査の説明と応用、そして臨床症例を紹介するコーナーを丸1日行ったことでした。こちらは非会員の先生方にもご参加いただける企画とし、多くの先生方に利用していただきました。
 今回総会終了後の10月24日(日)には会場を済生会横浜市東部病院に移し、午前中は自律神経機能検査のハンズオンセミナーとしてヘッドアップティルト試験、マイクロニューログラフィ、発汗試験(全身性温熱性試験、局所性軸索反射性試験)のデモンストレーションと体験をしていただきました。午後はジョイントで第23回日本マイクロニューログラフィ学会が開催され、こちらにも多くのご参加をいただきました。
 このようにさまざまな企画を成功裡に終えることができたのも、ご参加の先生方のご協力があったればこそです。今回は非会員の先生方にも参加していただくことができ、自律神経自体や当学会の活動にも興味を持っていただけたのではないかと思います。このような学会活動を通じ、本学会の自律神経研究を通じて社会に貢献するという役割がさらに高まっていくことを願う次第です。

このページのTopへ戻る

第62回日本自律神経学会総会を終えて

会長  仙波恵美子
(和歌山県立医科大学医学部第二解剖学)

第62回日本自律神経学会開催報告
第62回日本自律神経学会開催報告
 このたび、第62回日本自律神経学会総会を、平成21年11月5日(木曜日)、6日(金曜日)の2日間、和歌山市にて開催させていただきました。本総会を開催するにあたり、皆様方には一方ならぬご指導とご支援を賜り心より感謝申し上げます。おかげ様で多くの参加者(約300名)を和歌山にお迎えし、盛会裡に滞りなく終了することができました。
 今回の総会では、『基礎と臨床の融合をめざして』というテーマを掲げ、「自律神経の中枢メカニズム」「神経変性疾患」などを中心に、講演やシンポジウムを企画させていただきました。演者および座長の先生方のご協力のおかげで、バラエティに富んだ素晴らしいプログラムになりました。基礎医学と臨床医学の専門家が集う本学会の特徴が遺憾なく発揮されたのではないかと存じます。
 また今回は、学会員以外の先生方にも講演やシンポジストをお願いし、これを機会に多くの方が本学会に入会して下さいました。今後の学会の発展に大きく貢献していただけるものと期待しております。
 運営面でもいくつか新しいことを取り入れました。例えば、第一演者のみ学会員であれば演題を出せるようにしたこと、学生や大学院生が参加しやすいように参加費を半額としたこと、懇親会費をいただくようにしたこと、などです。伝統ある学会も、時代に合わせて脱皮していく必要があるかと思います。景気低迷のこの時期、財政的な困難が危惧されましたが、副会長の近藤智善先生のおかげで収支の面でも何とか赤字を出さずに済みました。
 総会に至るまでの行程は、登山に似ていると思います。苦しい思いをしながら一歩一歩登って行って、ある日頂上に立ったとき思わぬ視界が開け、今まで見えなかったものが見えるようになる。ほんとうに多くの皆様の力に支えられてここまで来れたということをひしひしと感じました。なお、学会の開催は私や教室員には初めての経験で、不行き届きの点が多々あったことと存じますが、何卒ご容赦のほどお願い申し上げます。
 伝統ある本学会が、わが国における自律神経研究の中心として益々発展していくことを心より願っております。

このページのTopへ戻る

第61回日本自律神経学会総会開催報告
第61回日本自律神経学会開催報告
第61回日本自律神経学会開催報告
第61回日本自律神経学会開催報告

 2008年11月6日、7日の両日、横浜で第61回日本自律神経学会総会を開催させていただきました。300人あまりの会員の皆さんがいらしてくださり、有意義な研究発表と活発な議論がなされました。6日には「臨床から学んだ大脳半球機能の左右差:特に自律神経・情動機能について」として、会長講演を施行させていただきました。また、特別講演としては東邦大学医学部統合生理学教授有田秀穂先生に「セロトニン神経系と座禅、読経、ガム、フラダンスなどのリズム運動」、名古屋大学名誉教授高橋昭教授に「自律神経学研究の歴史」をご講演頂き、好評を得ました。また、招待講演はニューヨーク州立大学神経内科学、眼科学教授Ivan Bodis-Wollner先生に「A Neurophysiological Approach to One of the Mysteries of the Brain: Studies in healthy subjects and in patients in persistent vegetative state (PVS).」をお話頂き、満場の聴衆を得ました。61年という歴史ある自律神経学会総会を無事に開催でき、こんな名誉なことはありません。ご協力をいただきました諸先生方に心より感謝申し上げ、学会の更なる発展を祈りたく存じます。

このページのTopへ戻る

第60回日本自律神経学会総会開催報告

遠山会長 平成19年度の第60回総会は2007年10月5日(金曜日)〜10月8日(月曜日)京都テルサにてISAN2007と合同で開催されました。5日は故佐藤昭夫先生の追悼シンポジウムに続き、セレモニーが開催されました。6つのシンポジウムと5つのKey Note Lecture、さらに83題の口演と152題のポスター発表が行われました。さらに6つのランチョンミーティングと2つのLate Breaking News Sessionも開催され、各領域の最新の情報が発表されました。最終日の8日午前中には初めての試みとしてマイクロニューログラフィーのハンズオンレクチャーが開かれ、午後にはサテライトシンポジウムとして第20回ニューログラム研究会が開催されました。ISAN2007のホームページ(http://isan2007.jtbcom.co.jp/)はすでに謝辞に替わっておりますが、その主要テーマは当ホームページの学会開催(http://www.jsnr-net.jp/meeting/sonota.html)にてご覧いただけます。また10月7日(日曜日)にメルパルク京都で開かれた一般公開講座(http://www.jsnr-net.jp/news/isan2007.pdf)では約200名に及ぶ参加があり盛況でした。多くの外人研究者との別れを惜しみつつ、また2年後シドニーでのISAN2009での再会を誓いつつ、会は幕を閉じました。
 10月7日(日曜日)に開催されました評議員会および総会の模様は当ホームページの活動報告(http://www.jsnr-net.jp/act/index.html)で各委員会報告としてまとめてあります。その中で、第4回となりました日本自律神経学会賞(優秀論文賞)は今回基礎部門2名、臨床部門2名の計4名の先生が受賞されました。その喜びの声が会員へのお知らせコーナー(http://www.jsnr-net.jp/member/index.html)にございますので、こちらも是非ご覧いただければと思います。
 来年平成20年度第61回総会は横浜市立大学神経内科の黒岩義之教授により2008年11月6日(木曜日)、7日(金曜日)パシフィコ横浜にて開催されます。すでにそのホームページができております(URL:http://jsnr61.umin.jp)。また平成21年度第62回総会は和歌山県立医大解剖学の仙波恵美子教授により開催されることが決まっております。

このページのTopへ戻る

第59回日本自律神経学会総会開催報告

 第59回日本自律神経学会総会は平成18年11月1日から3日まで都市センターホテルにおいて東京女子医科大学東医療センター内科大塚邦明教授のもとで開催されました。期間中は特別講演2題、招待講演3題、シンポジウム5つ、ワークショップ4つ、教育講演14題、ランチョン・イブニングセミナー8つが組まれ、会長講演「クロノミクスからフィールド医学へ」がありました。一般演題は100題に及び期間中は350名以上の参加者をむかえ盛会でした。
 自律神経学会は歴史のある学会で常に活発な研究発表があり発展してまいりました。今回の学会の特徴のひとつは、従来の神経内科領域にもとづくものから循環器の分野にも視点をおいたことにありました。これまでの学会と比べていささか趣が変わって戸惑いを感じた方もいたのではないかと思います。自律神経学は、高血圧・心筋梗塞・不整脈・脳卒中・高脂血症・胃十二指腸潰瘍・気管支喘息・関節リウマチなどをはじめとする様々な疾病の、発症要因を検討し、治療の質の向上をめざしています。各分野での研究成果もめざましいものがあります。このような点でもこれからより広い領域からの発表が増え学会がますます発展していくものと実感しました。

第59回日本自律神経学会事務局長
東京女子医科大学東医療センター内科 柴田 興一